拡大読書器(CCTV)について

 

拡大読書器(CCTV/Closed circuit TV)は、TV画面に文字等を大きく映し出す器械です。他の補助具と比べて、ズームで高倍率を得ることが出来、鮮明な画像を得ることが出来る補助具です。視覚障害者の日常生活用具(*1)にも認定されており、補助金が給付されます。今ページは、拡大読書器について説明いたします。



なお、拡大読書器は「家電」ではありません。
拡大読書器を快適に使うためのメガネの種類のアドバイスや、
「視力や視野など視機能を考慮した使い方」のアドバイスが重要です。

「拡大読書器を使用する方の8割が疲労感を訴えている」という
ロービジョン学会・視覚障害リハビリ協会での学会発表が3年前にあり、
第17回視覚障害リハビリ協会研究発表大会で
緊急シンポジウムをアサクラメガネの山中がオーガナイザーとして行いましたが、
「モノ」としてではなく、「視生活を豊かにする為のエイド」ですので、
使用環境と使い方のアドバイスは大変重要です。

医学的・光学的アドバイスを受けたうえで選定することをお勧めいたします。

アサクラロービジョンルームでご覧になれる拡大読書器33台一覧はこちら

 

1・拡大読書器の構造

本体とモニター画面からなります。モニターと一体型のタイプもありますが、セパレートタイプの場合、モニターは一般のTVが使用できます。(この場合、ビデオ端子の映像部を使います。)

 

2・拡大読書器の種類

形状で分けた場合、卓上型とポータブル型、携帯型に分けられます。卓上型は本体の下に読みたいものなどを置くと、TVモニターに画像が映し出されるタイプです。多くのメーカーがこのタイプを製造しています。

卓上型(写真はAV100 CP)

倍率:約100倍まで拡大可能。可動テーブルが付いている。





ポータブル型(写真はアミーゴ)




携帯型(写真はアクティブ・ビュー)


3・拡大読書器の各種機能

拡大読書器は、単に鮮明な画像がズームで拡大できるだけではなく、各種の優れた機能を持ってます。それぞれの機能について説明いたします。(機種により機能は異なります。)

 

「白黒反転機能」

白地に黒がワープロを打つ場合などでも一般的ですが、拡大読書器では黒字に白文字といった機能が付いています。これは視覚障害者の方の中には、「羞明(まぶしさ)」を強く感じる方が多くいらっしゃるためです。白地に黒文字の場合、羞明とともにハレーションが生じて文字が見づらくなることがあります。黒字に白地の文字にすると、ハレーションが軽減されて、文字が見やすくなります。

網膜色素変性症・糖尿病網膜症・白内障・白内障術後の方の場合などに、こういったケースが見られます。

 

 

「コントラスト強調機能」

淡い文字や色文字を見る場合に使います。レシートなどの青系の薄い文字は、一般の状態では見づらい場合があります。コントラスト強調機能を使って、淡い文字もはっきり見ることが出来ます。

 

「XYテーブル」

卓上型の拡大読書器では、XYテーブルが装備されている機種があります。

上下左右に動くテーブルで約28cmまでの範囲を動かすことが可能です。本や雑誌が見開きのままで読むことが可能です。また、一定方向をロックする機能も付いていますので、新聞など段落ごとに読む場合にも便利です。なお、XYテーブルを動かす時は、上(横に動きます)と下(縦に動きます)の2枚のテーブルは「必ず別々に動かして」ください。(上のテーブルをもって、2枚同時にテーブルを動かすと、気分が悪くなることがありますので、別々に動かすことがコツです。)

 

「オートフォーカス機能」

上級機種のアイテムには、オートフォーカス機能が付いているタイプもあります。本など凹凸があるものでも、楽に読めます。

 

「ライン機能」

TVモニター上に2本のラインを写す機能です。

これにより読み飛ばしや、行間違いを防ぎます。特に視野欠損のある方や、黄斑部疾患などで見ようとする中心が見づらい方などには便利な機能です。2本のラインは、幅を変えたり、縦横を変えることも可能です。

 

「マスク機能」

不要な部分をマスクする事が出来る機能です。これにより、羞明をより確実に除去することが可能になります。

「赤外フィルター」

読書面からの反射をおさえて羞明を少なくする機能です。この機能と白黒反転やマスク機能を組み合わせることでより有効にまぶしくなく、見やすい画面が得られます。

 

「遠近両用式」

読み書きだけではなく、例えば黒板の文字を映し出したり、読み書きも出来るような機能を有したアイテムです。

読み書きの場合はアダプターをつけるタイプと、家庭用ビデオを接続して遠近にするタイプがあります。

 

4・拡大読書器の価格

拡大読書器の価格は、数万円のものから、50万円までのタイプが販売されています。中心価格は198,000円で、これは日常生活用具としての補助金支給額に準じているためです。高価格帯のタイプは先に挙げた各種機能が付加されたものになっています。

また、非課税申請済みの機種は、公費負担が使えない方や、自己負担が必要な方でも消費税が不要です。

 

5・拡大読書器の選び方

使う方が必要としている機能や使い勝手により選んで頂いています。点字やオプタコン(*3)を使い慣れている方ですと、携帯型(マウス式)の方が使い勝手がいい場合もありますし、それほど高い倍率を必要としない方や、視野が広いものが必要な方は、卓上型のタイプをお勧めします。

 

6・公費補助の申請方法

拡大読書器は、視覚障害者の方の場合、身体障害者福祉法に基づく日常生活用具として、補助金給付の対象になります。

(日常生活用具として認定がおりている機種に限ります)

 

対象:「視覚障害者」で身体障害者手帳が交付されている方になります。等級は原則として関係ありませんが、運営にあったっては、各市町村の行政判断が適応されますので、地域によっては等級制限が設けられているところがあります。(詳しくは各地域の市役所・福祉課にお問い合わせください。)

給付金額:198,000円を上限として支給されますが、前年の世帯所得(納税額)により、自己負担金が必要になります。(非課税世帯で1,100円、世帯所得によってスライド制)

必要書類:日常生活用具給付申請書・身体障害者手帳・世帯の前年度源泉徴収票(課税証明書)・業者の見積り以上4点。

 

 

森田茂樹サン伝授の拡大読書器の使い方のポイント講座

この章は筆者が拡大読書器に詳しい森田さんの話を聞き、感銘を受け、「多くの方に拡大読書器の使い方を知っていただき、有効に活用していただきたい」という気持ちで作成いたしました。「拡大読書器は疲れて使えない」というかたがいたとしたら、一人でも多くの方が、「快適な拡大読書器の使用法をつかんで、見え方に対する生活上の質の向上を感じていただければと思います。

 

拡大読書器は「読書器」でありません。「読書も出来ますが、書くこともできます。爪を切ることもできます。」自分の日常生活が便利になるように考えて使うと、多くの便利がそこから生まれます。そんな考えでお読み下さい。

なお、「どれがいいのか」・・は、使う方の視機能の状態・生活環境・目的によってそれぞれ違いますので、実際に自分で触れて、自分の目で確かめて購入されることが大切です。

ポイント・1〜選定にあたって

倍率チェック:3倍から30倍程度まで拡大できるもの、10倍までしか拡大できないもの、9倍〜30倍まで拡大できるものなど、様々です。なお、「倍率が高い方が便利そう、というのは間違えです」のでお気をつけ下さい。倍率が高い分見える範囲が少なくなります。特に視野が狭いかたには、「高倍率の方が使いづらい」ことも多くあります。

コントラスト機能:コントラストの機能は、黄色やピンク系などのパステルカラーの文字を読んだりする場合に大切な要素です。充分なコントラスト調整機能が付いているかチェックして下さい。

テーブル可動範囲:A4サイズのものを置いて、これが充分に可動範囲でカバーされるかどうか確かめて下さい。これがカバーできないと、自分で読むものを動かさなければならず、その場合に画面上の文字が揺れて見づらくなることがあります。また疲れる原因にもなります。

 

ポイント・2〜使い方

1・ぼんやり見る

拡大読書器を初めて使う方など、「頑張って見る」傾向にあります。気持ちは理解できますが、これでは疲れます。ぼんやり見る、それで見える倍率まで文字を大きくする。これが使い方の第1にコツです。そうすることで疲れにくくなります。

 

2・画面上での視線の動きは少なくする

画面上の文字を目で追うケースをよく見かけますが、これは目を疲れさせる要因になります。視線は画面の中央などに置いて目を動かさずに「テーブルと共に読みたいものを動かして」読むようにします。

 

3・テーブルは両手で操作する。(〜拡大読書器酔いをふせぐために・・。)

画面上で視線の動きを少なくするためにテーブルを動かすことを話しましたが、この時は、必ず両手で操作するようにします。そして片手でテーブルを固定しながら動かします。これにより、画面が揺れたり、蛇行したりすることが避けられ、拡大読書器を使うと気持ち悪くなるといったことが、軽減できます。なお、本などでページがめくれる場合などは、ガラスを本の上に置くと改善できますので、本を手で持たなければ行けないといったことはなくなります。

 

以上簡単なことですが、ちょっとしたポイントを書かせていただきました。

なお、もっと詳しいことは「見えない、見えにくい人の便利グッズカタログ」(弱問研編・大活字社刊)に森田さん執筆の文章がありますのでご覧下さい。

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